原因
極度の高温環境や、閉め切った暑い場所で作業、暑い部屋に長時間いる時、換気が不十分な暑い部屋に長時間居る時など、高温多湿の環境で、体から熱を放散できなくなると起きます。
特に、高齢者は感覚が衰え気が付かなかったり、年少の小児、幼児、乳児は自分で対処できない場合が多いので注意が必要です。
また日差しの当たった車では、窓を締め切ると急速に車内温度が上がり、僅かな時間でも幼児を放置すると、あっと言う間に危険な状態になります。
症状
立ちくらみ、脱力、疲労、頭痛、眼のかすみ、筋肉痛、吐き気と嘔吐などです。
皮膚が熱く、赤くなり、乾燥します。
多くの場合、暑いのに汗が出ません。
錯乱したり、見当識障害がみられたり、けいれん発作が起きたり、昏睡状態に陥ることもあります。
心拍数や呼吸数は上昇し、脈拍は速くなりますが、血圧は高いことも低いこともあります。
普通の体温計では測れないほど体温が異常に上がり、臓器に機能障害を起こす、非常に重い症状です。
治療
至急、病院に運びます。
その間にも体を冷やすため、ぬらした寝具や衣類で体を包んだり、水の入った浴槽に漬けたり、氷で冷やします。
湖水や渓流があれば漬けて、まず体を冷やします。
ただし、冷やしすぎに注意し、体温が39℃位まで下がれば冷やすのを止めます。
意識があれば水分の補給をします。
何よりも、まず病院に運ぶ事と体を冷やす事に専念します。
予防
熱射病は、非常に暑いときに体から熱をすみやかに放散できないために起こります。
体が自力でうまく体温を下げられないために、体温が急激に上昇し、危険なレベルにまで達します。
我慢するのではなく、そういう環境から離れる必要があります。
戸外なら日差しを避け日陰に移動したり、クーラーのない部屋では窓を開け日よけ等をして部屋の温度を上げない工夫も大切です、
更に扇風機などで体の熱を発散させます。水分が無くなると熱を発散出来なくなる為水分の補給は欠かせません。
熱射病は、脳に損傷が起きると、完全に回復せずに、人格変化、運動障害、協調運動不全が残ることがあります。