2007/11/24

誤飲

〈たばこ 〉

●症状

ニコチンは「嘔吐」を引き起こす作用があり、ニコチンが吸収されると30分前後で「嘔吐」・「よだれ」が多くなってきます。

●処置
飲み込んだ時は、水等を多量に飲ませ、できるだけ吐かせてから病院へ連れて行きます。

病院では、状態によって胃洗浄(胃の中を洗う処置)をします。

タバコの成分が溶け出した水溶液を飲んだり中毒症状が出た場合は、胃洗浄が必要ですから、急いで小児科を受診してください。

たばこの誤飲で問題なのは、有毒成分であるニコチンです。

ニコチンの致死量は、成人で40~60mg・乳幼児では10~20mgと極めて毒性が高く、銘柄によっては1本でも中毒症を起こす事があります。

ただし胃から吸収されるのは時間がかかるので、実際にはニコチン中毒になる事は少ないといわれています。

〈気管内異物 〉 (こんにゃくゼリー・もち・豆類・たね類)

●症状

激しい咳き込み、息苦しそうに目を白黒させたりするときは、異物が気管につまっているおそれがあります。

●処置

苦しがるときは、頭を低くしうつぶせにし、逆さにして背中を3~4回強く叩き、吐き出す様にします。

指で口から異物を無理やり取ろうとすることは、逆に異物を押し込んで窒息させる事があるので控えたほうがよいです。

異物が気管の奥に入ってしまうとなかなか取れないので、至急近くの大きな病院を受診するか、救急車を呼びます。

〈ボタン電池〉

たいていは便に出でてきますが、一応病院を受診します。

〈硬貨〉

コイン通常は数日で排便と共に排出されます。

出ない時は、病院でレントゲンを撮ってコインの位置を確認した方が良い事もありますので、大きな病院で受診します。

食後、右側を下にして30分ほど横になっていると出やすくなります。

※吐かせていいもの

たばこ・防虫剤(パラジクロルベンゼン、ナフタリン)・消毒液(マキロン)・虫除けスプレー・石鹸・シャンプー・ベビー用沐浴剤・洗濯用合成洗剤(大量の場合のみ)・クレンザー(漂白剤を含まない大量の場合)・塩、しょうゆ・酒類・ごきぶりだんご・廃棄物処理剤(大量の場合)・化粧水・ヘアトニック・ヘアリキッド・香水・育毛剤・パーマ液(2液の場合)・口臭防止剤・花火・インク・絵の具(油性)・シャボン玉

※吐かせてはいけないもの

石油製品や強酸・強アルカリのものを誤飲した場合。

石油など揮発性のものを吐かせると、一度胃に入ったものが食道を逆流して、肺に入り障害を起こしたり、食道に障害をもたらす可能性があります。

画鋲やホッチキスの針・ガラスの破片など、尖ったもの。

無理に吐かせると、喉や食道を傷つける恐れがあり危険です。

意識が無いとき・痙攣を起こしているとき・ショック状態のとき・子供が6ヵ月以下の場合

いずれの場合も、そのまま静かに病院に連れて行きます。

薬物などを誤飲したときには、薬物の濃度を薄めるために水を飲ませたり、胃や腸の粘膜を保護するために牛乳を飲ませることがあります。

しかし、中には水や牛乳を飲ませてはいけないものもあります。

※牛乳を飲ませてはいけないもの

殺虫剤・防虫剤・液体蚊取り・油性の絵の具

※水を飲ませるもの

防虫剤・食酢・油性の絵の具

※牛乳か水を飲ませるもの

たばこ(少しだけ飲ませる)・水銀体温計・虫除けスプレー・石鹸・シャンプー・ヘアリンス・ベビー用沐浴剤・漂白成分含有洗剤・酵素系漂白剤・塩素系漂白剤・柔軟仕上げ剤・洗濯様合成洗剤・パイプクリーナー・ガラス用洗剤・風呂用洗剤・トイレ用洗剤・逆性石鹸・台所用洗剤・クレンザー(漂白剤を含まない)換気扇用洗剤(強アルカリ)・乾燥剤(シリカゲル)・塩、しょうゆ・酒類・廃油処理剤(固めるタイプ)・ごきぶりだんご・口紅・化粧水・乳液・クリーム・ヘアトニック・ヘアリキッド・香水・育毛剤・染毛剤・パーマ液・脱毛剤・義歯洗浄剤(強アルカリ性)・口臭防止剤・花火・クレヨン・修正液・インク・シャボン玉

少量なら心配ない場合でも、飲んだものによってはすぐ救急車を呼ばなければならないこともあります。

飲んだものによって、症状も処置も違いますので、わからない場合には、小児科に問い合わせます。

大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)中毒時の対応に関する情報