2007/12/07

川崎病 ・ 乳幼児突然死症候群 (SIDS)

【川崎病】

0~4才の子どもに多く、特に1才前後の赤ちゃんがかかりやすい原因不明の病気です。 

子ど1万人に対して年間数人くらいが発症するといわれています。

全身の血管が炎症を起こし、冠動脈瘤ができてしまうと命にかかわることもあるため、専門医での定期的チェックと治療が必要です。 

●原因

川崎病の原因はまだはっきりわかっていませんが、高熱がつづき、ときに重大な後遺症を残します。全身に血管炎が起きていることから、体の免疫機構に何か関係があるのではといわれています。

●症状

最初は発熱、せき、鼻水など、かぜのような症状から始まります。

高熱が5日以上続き、手足や口、目が赤くなります。

水疱を持たない赤い発疹が全身に出ます。

手の平、足の裏が、赤くなる場合もあります。

痛み、痒みはありません。

発熱と同時、もしくは熱が出る少し前に首のリンパ腺が、はれますがはれない場合もあります。

熱が下がる頃、手足の皮がむけますが、むけない場合もあります。

●治療

川崎病は全身に血管炎が起こる病気ですが、特に心臓に血液を送り込んでいる冠動脈という血管に瘤(こぶ)ができることがあるため、川崎病の疑いがあるときには心臓の超音波検査が可能な病院に入院します。 

川崎病を発症した子どもの10%ほどにこの冠動脈の異常が見られます。

このこぶの内側に血液のかたまり(血栓)ができやすく、血液の流れが悪くなると心筋梗塞を起こし、命にかかわることもあるため、入院中は血管の炎症を抑える薬や、血液がかたまらないような薬を使い、慎重に経過を観察します。

冠動脈瘤は発症から7日目くらいで大きくなり始め、2~3週間でピークになるので、入院も1カ月前後になります。

この時期はガンマグロブリンなどの治療を行い、経過を観察しながら、アスピリンなどの血液凝固を防ぐ薬を飲み続けます。 

熱はたいていの場合2週間くらいで下がり、そのころから手足の指の先から皮膚がボロボロとむけてきます。

冠動脈瘤がなければふつうの生活が送れます 

冠動脈瘤がない場合は症状がおさまったあとも2~3カ月はアスピリンの投与を続け、その間に心臓の超音波検査や心電図で検査をし、問題がないようなら薬を中止します。

その後数年は定期検診などの経過観察が必要ですが、その間特に治療は必要なく、日常生活に制限もありません。 

一方、冠動脈瘤ができた子は、その後も心臓の専門医のもとで定期的なチェックを続けます。

川崎病の原因はまだわかっていませんが、現在ではその治療方法や合併症の検査方法も確立されているので、きちんと治療を受けていれば、以前ほどこわい病気ではなくなってきています。

【乳幼児突然死症候群 (SIDS)】

乳幼児突然死症候群 (SIDS) とは、元気だった赤ちゃんが、睡眠中に何の前ぶれもなく亡くなってしまう病気です。

窒息などの事故によるものとは別のものです。

ほとんどは1歳未満の赤ちゃんで、原因もはっきりわかりません。

●医学上うつぶせ寝を勧められる場合を除きあおむけに寝かせます。
 
この場合、赤ちゃんの顔は横に向かせます。

●妊婦はたばこをやめ、妊婦や赤ちゃんのまわりでは吸わないようにします。

●出る場合はできるだけ母乳で育てるようにします。

以上のことが、発症を減らすためによいと言われています。