聴力が低下して、音の聞こえが悪くなった状態です。
両耳に起こることもあれば、片耳だけの場合もあります。
難聴には、伝音難聴、感音難聴、混合性難聴があります。
伝音難聴は、外耳から中耳までの音を伝える伝音機構に障害があるために起こります。
この場合は、音をうまく強めることができずに、小さな音が聞こえにくい状態なので、補聴器をつけたり、手術をすることで治る可能性があります。
感音難聴は、音を感じる蝸牛から脳までの感音機構に障害があるために起こります。
こちらは、音を大きくしても聞き取ることができず、治療も難しい場合が多いようです。
先天性の難聴は、ほとんどが感音難聴です。混合性難聴は、伝音難聴と感音難聴が合併したものです。
●原因
先天性の難聴は、はっきりしていませんが、中耳奇形、外耳道閉鎖、風疹による影響など胎児のときのウィルス感染が関係しているといわれています。
後天性の難聴は、滲出性中耳炎、慢性中耳炎、アデノイド肥大症、髄膜炎やおたふくかぜの後遺症などがあります。
●症状
耳の聞こえが悪くなりますので、音に対する小児の反応が鈍くなります。
例えば大きな音がしても、泣いたり、ビクッとしたりする反応が見られないことがあります。
早期発見が大切ですが、赤ちゃんは聞こえないことを訴えられないので、大きな音や名前を呼んだときに反応するか、後ろから呼んで振り向くか、生後10ヶ月くらいで言葉を話したか、など異常がないか注意することが必要です。
難聴かなと感じた場合は、小児科や耳鼻咽喉科で受診します。
●治療
聞こえ悪さを補う補聴器をつけて、聞き取る訓練や話す訓練を行います。
この訓練は開始が早ければ早いほどよいといわれています。
家でも補聴器をつけて様々な音を小児に聞かせるようにすることが大切です。