2007/12/03

先天性股関節脱臼 ・ 成長痛 ・ つま先歩き

【先天性股関節脱臼】

生まれた時から股関節がはずれている(脱臼)病気です。

完全にはずれたものが脱臼、あしの動きで出入りするものが亜脱臼(不安定股)、はずれないが形の悪いものが臼蓋形成不全と呼ばれています。

●症状

外見上、あしの開きが悪く、短く見えます。

オムツを替えるときにカクッと鳴ることもあります。

幼児期以降ではお尻を振るような歩き方が目立つようになります。

●治療

完全に外れている場合、リーメンビューゲルと呼ばれる装具で治療します。

難しい脱臼にはあしの牽引や手術が必要な場合もあります。

治療により整復されても、関節の形の悪さ(臼蓋形成不全)が残る場合があります。

このような場合、手術が行われますが、幼児期・学童期・成人以降それぞれの年代に合わせた手術法があります。

●予防

あしの開きが悪いと安定した股関節は作られません。

赤ちゃんが自然にみせる緩やかなあしの開きを妨げないようなオムツ(股オムツ)の使用や抱っこの仕方(コアラ抱っこ)が予防になります。

【 成長痛】

成長期のこどもに起こる原因不明の痛みです。

典型的には、幼児期のこどもが寝ているときに、突然泣いて痛いと言ったりします。

成長痛は成長軟骨の急激な伸びが関係しているといわれています。

成長軟骨そのものが痛む、筋や靭帯が成長により牽引されて痛む、など、種々の説がありますが、ほんとうのところ全く解っていません。

一般にこどもが手や足の痛みを訴えると、すぐ成長痛として片付けられてしまいがちですが、 学童以降でスポーツをしていると腱や筋の疲労や炎症による痛みは起こって当然といえます。

とくに、こどもの骨格は柔らかいので、大人と同じ量の運動を続けていると、疲労骨折や骨端症を起こすので注意してください。

さらに、痛みで始まる怖い病気に骨腫瘍や白血病があります。

このような病気でも、両親は訴えに対して様子を見ることが多いため、整形外科受診までに日数を要している場合がほとんどです。

痛みは人体に起こりつつある危険を知らせてくれる重要なサインでので 決して軽視せず、整形外科を受診してください。

ほとんどの痛みは悪いものではありませんが、それを確認する診察・検査が必要です。

一晩を越えて続く痛みは何かの原因があると思われますので、整形外科を受診してください。

◇我が家の場合◇

娘も腕のここが痛い、足のここが痛いなどちょくちょく訴えてきます。

お稽古事で、いろいろ運動をしてますので心配です。

しかし今のところ翌日までその痛みが続いたことがないので、受診したことはありません。

【 つま先歩き】

つま先を立てて、かかとを上げた歩き方です。

膝を反らして、ちょうど両脚を棒のように伸ばしたまま歩き、脚や足の蹴り出しが見られない状態です。

歩き始めから幼稚園頃までのこども、とくに女児に多いようです。

このようなこども達には乳児期から脚が柔らかい場合が多いようです。

幼児期になっても「つかれた」といって長歩きを嫌がることもあります。

つま先歩きは病気の1症状である場合もあり、脳や脊髄の病気や筋肉の病気が代表的です。

軽度だと専門医でも見落とすことがあるので、整形外科医や小児神経科医による定期的なチェックが必要です。

とくに、ふくらはぎが並外れて太い児や、立ち止まってもかかとがつかない児、踵歩きができない子は注意した方がよいかもしれません。

しかし病気以外のつま先歩きは成長と伴に減り、小学校入学の頃はほとんど見られません。

立つ時間を多くすることで脚の筋肉を鍛えることが良いようです。