【麻しん(はしか)】
麻しんウイルスによる感染症で、子どものかかる感染症の中でも重いものです。
麻しんは予防接種のおかげで少なくはなりましたが、感染力も強く症状も重くなりやすいため、乳幼児には怖い病気の1つです。
●原因
空気中の麻しんウイルスによる空気感染や、せきなどのしぶきによる飛沫感染でおこります。感染力が大変強い病気です。
潜伏期間は10~14日です。
●症状
くしゃみ、鼻水、せき、目やになどの粘膜の症状や、38℃位の発熱など風邪のような症状が出ます。
口の中のほほの内側の粘膜に白い斑点(コプリック斑点)、3~5日後に、赤い発疹が出ます。
耳の後ろ、首、顔から始まり、全身にひろがり、茶色くなってしばらくあとが残ります。
高い熱が1週間くらい続きます。
中耳炎、肺炎、脳炎などの合併症をおこし、重症になる場合があります。
●治療
麻しんウイルスにきく薬はありませんので症状をやわらげるための治療を行います。
肺炎や脳炎を合併することがあるので、症状の経過に注意します。
・熱が高いときは、衣類やふとんで暖めすぎないようにします。
・嫌がらなければ、頭やわきの下を冷却材や冷たいタオルで冷やします。
・水分補給をまめに行います。
●予防
予防には予防接種が重要です。
また、麻しんにかかった人と接触してすぐの場合、ガンマグロブリンの注射を受けると発病を防ぐことができます。
【風しん(三日ばしか)】
発熱と同時に赤い発疹が出ます。
3~4日で治ることが多いので、「三日はしか」とも呼ばれます。
●原因
風しんウイルスによる感染症です。
はじめはかぜのような症状ですが、発熱と同時に赤い発疹が出るのが特徴です。
●症状
発熱、発疹、リンパ節の腫れの3つの症状が特徴的です。
熱は1日から2日で下がり、発疹も3日から5日で消えます。
潜伏期間は14~21日です。
赤くて小さな発疹が顔・首からからだや四肢にひろがります。
リンパ節の腫れは、特に耳の後ろや首で目立ちます。
成人では関節痛がみられることがあります。
熱がなかったり症状がはっきりしない場合もあります。
ふつうは軽症で治りますが、まれに、脳炎や紫斑病などの合併症がみられることがあります。
●治療
風しんウイルスにきく薬はありません。
かゆみ止めなど、症状をやわらげるための治療を行います。
●予防
予防には予防接種が重要です。
子どもの定期接種の他に、これから妊娠する予定のある方も、妊娠前に接種を受けておくことが大切です。