2007/11/28

チック 吃音(きつおん) 指しゃぶり

【チック 】

体の一部が自身の意思とは関係なく瞬間的に動いてしまう疾患です。

一過性チック・慢性チック・トゥーレット症候群の3つに分類されています。

チックが1年以内に治まってしまうものを一過性チックと呼び、1年以上続くものを慢性チックといいます。

体のチックに加えて声の出てしまう音声チックが1年以上続くものをトゥーレット症候群と呼びます。

トゥーレット症候群では、身体的なチックに加えて、汚言症などの音声チックが起こりやすく、社会生活上大きな支障になります。

また、注意欠陥・多動性障害・強迫性障害などを併発することが多く、社会適応が困難になることがしばしばあります。

トゥレット症候群は遺伝による病気です。

●原因

小学校低学年までの子供に、不安や緊張などがきっかけで起こります。

一過性チックは、両親の過干渉などのストレスや、入学時などの緊張がきっかけで発症すると言われています。

●症状

目をパチパチさせる、鼻をならす、せきばらいをする、顔をしかめる、口を曲げる、肩をすくめる、頭を振る、体をゆするなどいろいろなチックがあります。

瞬間的に声が出てしまうこともあります。

●治療

ほとんどが一時的なくせのようなものです。

チックの動作を無理にやめさせようとしたり叱ったりすると、緊張によって症状が悪化することがあるため注意が必要です。

学校などにもきちんと理解を求めることが大切です。

一過性チックはほとんどの場合治療の必要はなく自然に治るため、気にしすぎないようにします。

一方、トゥレット症候群の場合は難治で症状も強く、学校生活や日常生活に支障が出るため、薬物療法などで症状を軽減させます。

周囲の理解が必要であると言う点では一過性チックと同様ですが、治りにくい病気であると言う点で、更なる努力が必要です。


【吃音(きつおん)】

どもると言われる状態です。

●原因

語彙が急速に増え、話をしたいという意欲が盛んな時期に、発音しにくい言葉があって言葉に詰まることで発症します。

●症状

2~3歳頃に多く発症します。

話すとき、最初の音を繰り返したり、音を伸ばしたりします。

発声が困難なときは顔をしかめたり、体を動かすなどのしぐさをすることもあります。

●治療

幼児期の吃音は、ほとんどの場合病気ではなく、自然に治ります。

言葉に詰まるたびに、話すのをさえぎって叱るのはよくありません。

精神的なきっかけがある場合は、原因となっている心理的葛藤を軽減させてあげる努力をします。

一過性の吃音を親が気にしすぎて叱ったりすることで本人も吃音を気にするようになった場合、話すことに緊張を覚えてさらにどもるようになるといった悪循環で、真性の吃音になる場合があります。

学童期になっても治らず、本人が気にしたり学業に影響がある場合、専門家に相談して指導を受けます。


【指しゃぶり】

●原因

指しゃぶりや爪噛みは幼い子供が不安や緊張を、自分なりの形で処理するためにとる行動といわれています。

環境の変化などのストレス、下の子供の誕生などをきっかけにはじまることもよくあります。

●症状

1歳をすぎても指をしゃぶる場合、みっともないなどの理由でやめさせたくなるものですが、3歳ごろまでには自然に治ります。

爪噛みは幼児期に始まり、思春期以降も続く場合があります。

●治療

安心感を得るための行動であり、叱ったり、無理にやめさせることで、自分の髪を抜くなどの別の行動をとることもあるので注意します。

成長とともに周囲の目を意識したりして自然に治ります。